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生成AI ✖ 旅行業        ~旅行業と生成AIの未来予想図とは~

初めに

2022年11月、Chat GPTが一般公開されました。以来、ネットでもメジャーメディアでもAIを報じない日はありません。これまではWEB3.0、ブロックチェーン、メタバースといったキーワードがITの表舞台を占めていましたが、Chat GPTはそれらを押しのけていきなりセンターに登場してきました。AIという括りではSiriやAlexaなどのアシスタント機能やお掃除ロボット「ルンバ」など既に日常生活の中で身近になっていましたが、Chat GPTのような汎用のフリーウェアとなって、一般にもビジネスの領域にも瞬く間に浸透しました。この急速な普及に脅威論を唱える向きも少なくありません。コロナ禍の中リモートワークの普及や対人業務の縮小という状況もあって、更に実用化が加速してきています。

 

 こうしたChat GPT(Microsoft)やBert(Google)に代表される生成AIがGoogleやYahoo!に代表される検索機能と異なる点は、「深層学習(ディープラーニング)」機能により、聞き手の意図を先回りして読み取り、「大規模自然言語処理」機能によって自然な言語で回答してくる点です。試された方ならわかると思いますが、あまりにもスムーズにしかもきちんとした日本語で回答してくるので驚かれたと思います。これだけの機能が誰にでも無料で利用できるので一般公開から10か月も経たぬうちに急速に浸透してきています。しかもこうしている間も絶えず学習を継続しているので使えば使うほどどんどん利口になるという末恐ろしい仕組みといえます。

 

生成AI✖旅行業事例 

AIの主要な機能である「画像認識」「言語処理・音声認識」「レコメンド」「分析・予測」を活かした旅行業・観光業での事例が出始めています。

 

顔認証

旅行業界においては、交通機関の利用や施設入場時の認証など、特に空港の顔認証ゲート等は早くも実用化されています。顔認証ゲートは入国審査の厳格な基準を維持しつつ、時間の短縮・人員削減といった合理化実現しています。なお、新幹線でも顔認証による改札機通過の実証実験が始まっています。

 

言語処理・音声認識

「言語処理」はテキストを言葉として処理する機能で、チャットボットなどに使用されています。また「音声認識」は、音声をテキスト化する機能で、文字起こしなどに使われている技術です。会話ができるAIは「音声認識」でテキスト化した文字を「言語処理」で解析するという2つのステップで人の言葉を理解しています。旅行業のサービスとしては多言語対応ができるのが大きな強みで、インバウンド誘致に向けたAIチャットボットが次々と構築されており、最近では音声で観光案内をするAIロボットやコンシェルジュも登場してきています。

 文字だけでなく、音声アシスト機能を開発するOTAも登場しているほか、BookingホールディングスのCEOは近い将来、生成AIによって「人間の旅行会社スタッフ」に替わるサービスを構築することも可能と発言しています。確かに時間や場所に縛られない自動応答やチャットボットの活用で時間外の対応範囲が広がれば、旅行手配にかかる負担の軽減につながります。OTAの弱点である非対面手続きに安心感をプラスし、コロナ禍で高まった非対面・非接触ニーズによりオンライン消費が急速に拡大していきました。

 

レコメンド

旅行予約の場合、「移動」「宿泊」「観光」「食事」と検討事項が多く、1つのサイトで完結できない、又は選択肢が多すぎて比べ疲れてしまうこともあります。こうしたECサイトの膨大なデータの中から、利用者の好みに合致するものを表示してくれる機能が「レコメンド」です。観光関連では、アプリやWebサイトでテーマ・時間・予算・交通手段・年齢層などを入力すると、観光スポットを紹介したり、コースを作成してくれるサービスがあります。中には、予約サービスと連携して手配まで完了できるものや、SNSでシェアできるものもあります。外部サービスと絡めれば販促や広告など、可能性が広がるのがレコメンドサービスです。

 

分析・予測

ビッグデータ解析や、データ傾向からの未来予測は、AIの最も得意とすることです。AIカメラ映像から観光客の滞留状況を数値化・対人平均距離を計測・混雑時間帯の予測を行い、配信することにより混雑回避に役立てている観光地があります。また、宿泊施設などで需要により価格を変動させる「ダイナミックプライシング」も、AIの活用で需要予測の精度を上げたり、自動化したりと、より効果的に行うことができるようになります。例えばTMCのNavanは出張旅費の分析や管理に活用するツールを発表し話題になっています。

 

 

 

都築電気㈱の取り組み「TAI-chat」

一般公開中のオープンなAI環境を利用することは各種企業にとってセキュリティ上の問題があります。各企業はこうしたChat GPT(Microsoft)やBert(Google)に代表される生成AIの利用制限をかけているか、若しくはプロンプトを入れても学習しない、いわゆる情報流出しないようなツールを提供するシステムインテグレーター(System Integrator)と提携して利用している状況です。

 

 

 そこで都築電気㈱はセキュリティを担保する仕組みを提供するのみならず、社内ビッグデータをリソースとした社内AI、つまりChat GPTのplug-in機能を利用し、「深層学習(ディープラーニング)」と「大規模自然言語処理」を利用した社内AIソリューションを展開出来ないかと検証中です。

 

来るべき「旅行業界✖生成AI」の未来予想図 

まだまだ始まったばかりの生成AIの世界ですがこれまでの動きと今後を予想してみました。これまでのコンピューターシステムが集合から分散、分散から集合というように大きく形態を変えてきているのと同様の動きになっていくような気がしています。

黎明期

1年後、2年後という単位ではなく、来月、来週はどのような進化を遂げているかの予測もつかない程生成AIの機能は日々急速に向上しています。更にChat GPTのような全方位型生成AI以外に様々な特化型生成AIがリリースされてきています。従って「旅行業界✖生成AI」の成長点はここかなと考えています。

AIエージェントの登場

旅行業に特化した生成AIとしては2023年7月17日に中国の旅行予約サイト大手の携程集団(トリップドットコム)が旅行業に特化した独自の生成AIとして「携程問道」を発表しています。顧客が旅行に出かける前に立てる旅行プランの作成支援が主機能です。「汎用の大規模言語モデルをベースに、200億件の高品質な観光関連データを読み込ませた。さらに、携程が持つリアルタイムデータや過去に学習済みの検索アルゴリズムを組み合わせ、旅行業に特化した独自のトレーニングを施した。」としており、回答の信頼性はまだ不十分ながら長い時間をかけてバージョンアップを重ねる用意があるとしています。

分散・細分化

「携程問道」に関しては直近の例ですが、このようなAIエージェントが電話1本で「よろしく」と任せられるような全幅の信頼をおける存在になるにはやはりまだまだ時間がかかると思われます。従ってこうした特化型生成AIも細分化の道を辿っていくと思います。ひたすら安価にというニーズに対してはすでに価格変動を予測、監視して安くなったら通知する生成AIサービス(Hopper)等既出ですが、例えば「お一人様専用」など条件を絞ることで強みを構築する生成AIや、「とにかくインド旅」に特化した生成AIや、終末旅、熟年旅、失恋旅等のような曖昧な枠での細分化もそれぞれに適切なデータが潤沢にありさえすれば可能になってきます。例えば一口に失恋と言っても感情は様々であり、そう考えるとまともなパーソナライゼーションができるはずがないと考えますが、そこを独自の視点で切り取っていく生成AIが出てきても不思議ではないと思います。性別とか年齢、興味など利用可能な条件をプロンプトに挿入する事を必須とする等の工夫を凝らすことで解決していく何かがあると思います。

専門化

または旅行会社が扱わない旅、いわゆるマイカー旅行、キャンピングカーによるノマド系の旅行等はかなり有効なのではないかと思います。Adventure Genieは世界初というキャンピングカーでの旅行やキャンプ旅行に特化したAI旅行計画ツールで、それらの旅行は普通の旅行に比べて計画に手間がかかりいくつものウェブサイトやアプリを横断的に利用する必要があり、しかもそれらのなかにはルートの近くにあるキャンプサイトの一部しか表示しないなどの問題も抱えているところ。これに対してAdventure Genieでは、寄り道が好きかどうかやキャンプ場の環境や設備の充実度についての好みなども含めて、「何をするか」「どうやってそこまで行くか」「どこで寝るか」の3点を中心に実際の旅行者のように旅程を組み立てることが可能。キャンプサイトの情報も2.5万箇所以上をデータベース化しているという。

集合期

このように細分化されたそれぞれの生成AIがそれぞれに適切なデータを潤沢に日々格納し、学習を重ねていきます。次第に親和性のある生成AI同士がお互いの境界線を越え、合併していくことによってより広範なものになっていくのではないかと思います。「日本の離島巡りAI」と「秘境@ニッポンAI」が合併して「離島・秘境巡りinジャパンAI」という具合に拡大していく。細かく区分けしてそれぞれに潤沢な情報資産、学習履歴を持ち、いずれは飽和して大同団結して大きな「旅行業界✖生成AI」が近い将来、成立していくのではないでしょうか。

 

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